HYBRID W-ZERO3タッチレポ

さてさて、今月発売で注目を浴びているこのHYBRID W-ZERO3、ようやく店舗で触ることができました。
ウィルコムの捨て身端末ってことで楽しみにしていたのですが、その使い心地はどうでしょうか。
 

忙しい人のための使い心地まとめ(twitter vir 携帯百景

 
Windows Mobile 6.5 搭載端末ということですが、スタートを押すと全画面でメニュー。田んぼみたいに並ぶアイコン。何ですかコレ。
なんでこういうiPhoneの二番煎じみたいな余計なことをやるんだろう。
GSFinderを使い物にならなくしたフリックスクロールも本格採用となり、使い心地が不安になってきます。
 
それでは、上の画像に要約しているものをちょっと見ていきましょう。
 

Xscrawl

これ、IEでちょっと試してみたんですけどスクロールの遅いこと遅いこと。
上の画像にもあるように明らかにアドエスから改悪であるわけですが、おそらく【アドエス:WM6.0→フォーカス移動】→【HYBRID:WM6.5→フリックスクロール主体】に変わったせいだと思います。
要するにWM6.5が悪い、と。
 
これがサードパーティーのアプリだとどうなるのでしょうか。
 

日本語入力

フルキーボードがなくなったことで敬遠されている方がたくさんいらっしゃるようですが、むしろ私はこれでいいと思っています。逆にいえば、WILLCOM 03まではテンキー日本語入力を疎かにしてきたわけで。
初代は完全にフルキーボード入力、esとアドエスはテンキーがついたもののATOKで変換精度の向上は図れても入力方式はかな文字のまま*1WILLCOM 03はケータイShoinが載っていますがテンキーはタッチ(使用感がハードウェアじゃない)という、片手入力が使い物にならないレベルだったんですね。
元々フルキーボードが重宝されていたというのは大きいと思うんですが、それを抜きにしても片手入力はキツイだろうなーと。
 
そこでこのHYBRID W-ZERO3は、フルキーボードを捨てる決断をしたと。これはかなり英断だと思います。ケータイShoinが良い線をいったものなので*2、これとハードウェアテンキーを装備した組み合わせは片手入力に十分耐えうるものではないでしょうか。
 
しかし、このケータイShoinがなかなかの曲者。こいつの機能である「ワンタッチ入力」はT9入力と同じような入力ができるのでT9歴7年の私には非常にありがたいんですが、いかんせんワンタッチ変換候補が弱すぎるんです。通常の変換候補で出てくるものがワンタッチ変換候補に出ない。
とくに話し言葉のワンタッチ変換は貧弱どころのレベルではなく、下手すると正しい日本語であってもアウト。そうするとかな文字入力で打たないといけなくなるわけで、これが非常に煩わしい。
T9だと変換候補をこんなふうに調教することができるんですが、ワンタッチ入力候補はそうはいかないらしいですね。調教できない。自由度が低い。
 
第2回 「ケータイShoin3」搭載、SH506iCの文字入力を探る

 とはいうものの、ケータイShoin3のワンタッチ変換には未熟な点がいくつかある。1つは同じ読みから得られる変換候補が膨大になるため、活用や付属語を含む候補が大幅に省略されていることだ。例文でみると、例えば「ざかだ」の候補に「事故だ」はあるが「事故で」がない。「あたた」に「言って」「落ちた」「意図と」はあるが「行って」がない。同じ理由で「〜いるので」や「〜しておいて」のような言い回しもワンタッチ変換だけでは入力できない。T9ではかな変換と漢字変換の2回に分けた操作が必要だが、「たまたたあらなだ」を「とまっているので」に変換できるなど、この程度の文章はT9なら入力に何の支障もない。

 3つめは、ワンタッチ変換と近似/連携予測変換とで学習データが共有されていないことだ。このため、ワンタッチ変換で「中央線」を確定したあとで「ち」を入力しても近似予測候補に「中央線」が出てこないし、「中央線」を確定しても連携予測候補に「が」が出てこない。この点についてはすぐにでも改善してほしい。

 
もうひとつケータイShoinの不便なところがこれ。

 もう1つは入力操作をマルチタップと兼用したことによる不便さだ。たとえば「中央線」を変換するには「たやあああさわ」と入力する必要があるが、T9なら(「い」以降を入力する必要がないので)「あああ」で「あああ」を入力できる。ワンタッチ変換で「あ」を連続して入力するには「あ→あ→あ」と操作しなければならない。またT9ではかな辞書の先読みを行うので「たやあああ」と入力した時点で画面に「ちゅうおう」が表示されるのだが、ワンタッチ変換では入力した文字がそのまま表示されるので、どんな読みの単語に変換されるのか予想しにくい。

つまり、「中央線」と入力する場合

  • T9… 「た」「や」「あ」「あ」「あ」「さ」「わ」→変換
  • ワンタッチ… 「た」「や」「あ」「→」「あ」「→」「あ」「さ」「わ」→変換

となり、操作数が増えてしまうんですね。
 
しかもこの記事…2005年1月のですよね;
5年前の不便さがいまだに改善されていないわけか…orz
 
つまり、ユーザーは入力したい語句がワンタッチ変換できるかどうかを判断し、ワンタッチ変換できないと判断すればかな文字入力で打たなければいけないと。上の画像はそういうことなんですね。
日本語を入力するだけなのに頭を使わないといけないって非常にナンセンスだと思います。
 

3G回線

ついにウィルコム待望の3G回線であるわけですが、なんかダメっぽいです(苦笑)。回線はドコモなので何の問題もないのですが、CPUが足を引っ張ってくれちゃいました。
よりによって重い重いと酷評のEMONSTERと同じようなCPUですよ。名称の最後にAがついてるだけの。
発表当初、これは期待できないと思ってましたが案の定でしたねorz
 



 
さて、記事が日本語入力に偏りましたが、それくらい日本語入力は重要な役割を占めています。私の携帯の稼働率も日本語入力のやりやすい順に稼働してますね*3
 
全体的に感じたことは、Xscrawlにしろ日本語入力にしろ、ハードウェアの利点をソフトウェアがすべて台無しにしている感が非常に強いですね。そもそもWM6.5が無理矢理iPhoneに対抗しようとしてWindows Mobileがそれであるという機能を捨てたことが許せない。
ああ、MSはVistaの二の轍を踏んだな、という残念な思いです。
日本語入力に関してはケータイShoinが未熟であるといえばそれまでですが、ソフトウェアキーボード入れればまだなんとかなるかもしれません。ですがケータイShoinもそれなりに歴史とノウハウがあるはずで、にもかかわらず5年前の不便な点が解消されないのはいかがなもんでしょうかね。これはもうシャープ端末の宿命なのか…。
 
ただ、Windows Mobileであることは救いであると言えるでしょうね。レジストリやシステムいじり放題なのである程度どうにでもなるというものです。
私的にはもちろん買いです。予約もしてきたのであとは発売日に取りに行くだけですね。
 
さあ、1週間後が楽しみだ!

*1:ドコモが504の時代からT9入力を使っているので、かな文字入力の煩わしさにはとてもとても耐えられない状態でした。

*2:ケータイShoinを使うのは初めてだが、元のソフトであるFSKARENをT-01Aで使い慣れている。

*3:ただしTwitterT-01A率が高いのはN-06Aのパケホ使用大幅削減による